九九夜話

日々のこと。

日々のこと。|九九夜話
着物スタイリスト秋月洋子の活動記録。オリジナルデザインによる帯留ブランド『九九』‐銀細工職人、山口緩奈さんとのコラボレーション‐の紹介と販売。季節に合わせたスタイリングや趣味の書(古代文字:龜甲会)の話もたまに。
物語を紡ぐもの
それは、帯留だったり半襟だったり……
小さなものから始まることが多い。


例えばこんな、珊瑚と真珠の帯留。




柔らかくうねる珊瑚は、なだらかな山の稜線。
艶やかな真珠は輝く朝日……それとも
山路を急ぐ旅人へ、冴えた光を投げかける月だろうか。

今の季節なら、さしづめ
満開の桜に染まる山上に、ほんわり浮かぶ朧月。




あるいは、海。


穏やかな波間に沈む、夕日かもしれない。
波音だけが響く夜のしじまを、静かに照らす月にも見えて。



梅や桜といった、その季節を代表する具体的なモチーフの美しさは
もちろんだけれど、こんな風に、想像をかきたてられる意匠もまた
着物遊びの醍醐味。



さて、どんな帯に合わせよう。

着物は…… 

半襟は……



限りなく広がる世界に心躍らせながら
装いに、物語を紡ぐ。


| 続・歳時記 | 01:04 | - | -
???
つい先日、京都の骨董品店で見つけた鼈甲の簪。


鼈甲の簪

お店の札に書いてあった品名は




………「はてなマーク」(笑)。




蕨、ってことに、しとこうかな。






| 続・歳時記 | 00:56 | - | -
そろそろ
出番でしょうか。



枝垂れ桜と土筆


3月は去る、というけれど、本当にあっという間。
このところの寒さに、つい手が伸びずにいたけれど
カメラ好きの父から「(愛犬の散歩中に)土筆発見!」の
春便りも届いたことですし……

うかうかしていて、タイミングを逃してしまうと
来年までお預けになってしまいますからね。

半衿には、桜の中でも開花の早い枝垂れ桜を。
淡い桜色の三部紐に、彫金の土筆の帯留。

| 続・歳時記 | 01:23 | - | -
雛祭り

今日、3月3日は『雛祭り』。



「桃の節句」「女の子の節句」としてなじみ深い日ですが
古代中国で行われていた、三月最初の巳の日(=上巳)に
水辺で体を清め、形代に穢れを移して流すという「上巳の祓い」と
平安時代の雛遊び(人形遊び)とが結びつき、女の子のための
行事となったのは、意外と最近……江戸時代ごろのことなのだとか。



その、『雛祭り』にちなんだモチーフの1つに「曲水の宴」があります。
貴族の間で「上巳の節句」に行われた行事で、上流から杯を流し
その間に詩歌を詠む、という優雅な遊び。

きっと、こんな光景↓が繰り広げられていたのでしょう。



「曲水の宴」光琳派扇面画集より




急に冷え込んだこの数日だけれど、せめて装いだけでも
『雛祭り』モードで、「春、到来!」(と思いたい)。


貝桶の刺繍半衿


雛人形や貝桶↑といった、ストレートな意匠はもちろん
少しひねって大人の演出にするなら、例えば流水文様や立涌など
流れのある柄の着物や帯に、桃や桜、杯などのモチーフをプラスして
「曲水の宴」を気取ってみたり。




ちなみに、私はと言えば…



銅鏡の刺繍 綴れ帯

女性にとっては欠かせない小道具、鏡を刺繍したアンティークの
綴れ帯に、白酒のイメージで珊瑚の瓢箪を添えてみました。


しかし…………地味ですねぇ、我ながら。まったく。



| 続・歳時記 | 01:46 | - | -