九九夜話

日々のこと。

日々のこと。|九九夜話
着物スタイリスト秋月洋子の活動記録。オリジナルデザインによる帯留ブランド『九九』‐銀細工職人、山口緩奈さんとのコラボレーション‐の紹介と販売。季節に合わせたスタイリングや趣味の書(古代文字:龜甲会)の話もたまに。
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香を探る
JUGEMテーマ:ファッション


1月の季語。

ここで言う“香”とは梅の香りのことで、探梅(たんばい)とも言い
冬のさなかに、春の気配を探る思いを表します。

着物の装いでも“季節の先取り”とよく言われますが、新しい季節を
待ち望む思いは、冬から春(まさに今!)がいちばん強いのではないでしょうか。



梅に鶯

   白梅の刺繍半襟と、梅に鶯の帯留。
  銀細工にパールをあしらった梅は、やはり白梅の趣。
   『鴬宿梅』の故事にちなんで。



和歌や文学の世界で、ただ「花」と言えば
奈良時代までは「梅」を、平安時代以降は「桜」を意味します。
そのまま、現代では「日本の花=桜」といった感がありますが
私は、どちらかというと梅の方が好き。


観るものを胸苦しくさせるほどの生命の放出……
刹那の美とも言える、桜の風情もまた良いものですが

冷たい風にこぼれた、ほのかな香りに誘われ見渡せば
真冬の澄んだ空気の中に、そっと伸びる一枝。
かすかな陽光を1点に集めて、凍てついた空気さえ
花とともに柔らかくほどけ、その周囲だけふわりと暖かい。
決してこれ見よがしではないのに、その存在感たるや……。
厳しい冬を越えてきた逞しさゆえの、しなやかな強さ。
そんな楚々とした美しさに惹かれるのかもしれません。





2,3日前、お隣の庭先に、ほころびかけた白梅の花を見つけました。
ちょうど陽当たりの良い場所にあるからか、例年よりかなり早いような。。。
年末からずっと、冬とは思えないような暖かさが続いていましたしね。


今月は龜甲展もあるので、着物を着る機会が多くなります。
梅以外にも、水仙、猫柳、残りの雪。
この季節、楽しみたいモチーフがたくさんあります。


皆さまも、ぜひ春を呼ぶ装いでおでかけください。




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