九九夜話

日々のこと。

日々のこと。|九九夜話
着物スタイリスト秋月洋子の活動記録。オリジナルデザインによる帯留ブランド『九九』‐銀細工職人、山口緩奈さんとのコラボレーション‐の紹介と販売。季節に合わせたスタイリングや趣味の書(古代文字:龜甲会)の話もたまに。
早蕨の
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| 続・歳時記 | 03:08 | - | -
幽かに、春の気配
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立春の今日、カメラ好きの父から春便りが届いた。





今にも咲きこぼれそうな梅の蕾。




ふと、与謝野晶子の歌を思い出す。

 梅の花氷の屑のここちすれ 何故となく濡れて光れば/梅花集


そして、大好きだった祖父 群青の句もまた脳裏に浮かんできた。

 雪しづく一雫にも日は宿る/雪卍







このところの寒気で、梅も開花が遅れているようだ。
寒さが厳しいほどに、春の訪れの喜びも大きいもの。



          …とは、言うものの。

          北の地のことを思えば、せめて今年くらいは
          少しでも過ごしやすい穏やかな冬であって欲しかった。。。

          上手くいかないものですね。



早く、本当の春が来ますように。






| 続・歳時記 | 22:53 | - | -
吹き寄せ
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吹き寄せ


自然の景色を、あるがままに描いてみたら………

 
   ↓
   ↓
   ↓
   ↓
   ↓
   ↓
   ↓
   ↓
   ↓
   ↓
   ↓
   ↓


こうなった(笑)。

吹き寄せの帯



この、衒いのなさが好きだなと思う。
言い得て妙、な、“吹き寄せ”という言葉の響きも。







| 続・歳時記 | 02:01 | - | -
2年越しで
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ようやく。


銀杏



撮影などでよくお世話になるギャラリー花影抄さん
いただいてから、なかなかタイミングが合わず
出番を逃していた銀杏の帯留。


つるんと剥かれた実、そのままの雰囲気が
どこか素朴な温かみがあって、愛らしい。

触れた指先に心地よい、滑らかな象牙の質感を活かして
丁寧に仕上げられた作品は、身につけていると
なんだかほっこりと心和む。



象牙の作家、月代さんの作品。
http://hanakagesho.shop-pro.jp/?pid=16770504


















| 続・歳時記 | 23:24 | - | -
香を探る
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1月の季語。

ここで言う“香”とは梅の香りのことで、探梅(たんばい)とも言い
冬のさなかに、春の気配を探る思いを表します。

着物の装いでも“季節の先取り”とよく言われますが、新しい季節を
待ち望む思いは、冬から春(まさに今!)がいちばん強いのではないでしょうか。



梅に鶯

   白梅の刺繍半襟と、梅に鶯の帯留。
  銀細工にパールをあしらった梅は、やはり白梅の趣。
   『鴬宿梅』の故事にちなんで。



和歌や文学の世界で、ただ「花」と言えば
奈良時代までは「梅」を、平安時代以降は「桜」を意味します。
そのまま、現代では「日本の花=桜」といった感がありますが
私は、どちらかというと梅の方が好き。


観るものを胸苦しくさせるほどの生命の放出……
刹那の美とも言える、桜の風情もまた良いものですが

冷たい風にこぼれた、ほのかな香りに誘われ見渡せば
真冬の澄んだ空気の中に、そっと伸びる一枝。
かすかな陽光を1点に集めて、凍てついた空気さえ
花とともに柔らかくほどけ、その周囲だけふわりと暖かい。
決してこれ見よがしではないのに、その存在感たるや……。
厳しい冬を越えてきた逞しさゆえの、しなやかな強さ。
そんな楚々とした美しさに惹かれるのかもしれません。





2,3日前、お隣の庭先に、ほころびかけた白梅の花を見つけました。
ちょうど陽当たりの良い場所にあるからか、例年よりかなり早いような。。。
年末からずっと、冬とは思えないような暖かさが続いていましたしね。


今月は龜甲展もあるので、着物を着る機会が多くなります。
梅以外にも、水仙、猫柳、残りの雪。
この季節、楽しみたいモチーフがたくさんあります。


皆さまも、ぜひ春を呼ぶ装いでおでかけください。




| 続・歳時記 | 23:11 | - | -
重陽の節句
9月9日、最大の「陽」数(=奇数)である“九”が「重」なる日。



もともとは、古代中国において、陰陽思想に基づき
強すぎる陽の気がもたらす災厄を祓うための
行事が執り行われたことに由来します。


それが日本に伝わり、宮中行事となったのは平安時代。


時代を経るにつれ、長寿を願い、一族の繁栄を祈る武家の行事となって
江戸時代には庶民の間にも広まったと言われます。





またの名を『菊の節句』とも。



薬効があるとされる、菊の花弁を浮かべた「菊酒」を
酌み交わして長寿を願い、前夜から菊の花に被せておき
その露を含んだ被綿(きせわた)で身を清め、息災を祈る。
   


     この被綿で肌をぬぐうと、若返るとされ
     贈り物にされることもあったとか。
     今で言う、アンチエイジングといったところでしょうか。

     女性の望みは昔も今も変わらないようで。。。




菊の帯留

↑「菊花の宴」をイメージして……
 絽縮緬に鼓の胴が刺繍された帯に、蒔絵の菊の帯留を。





五節句のうち、現代においては
いま一つ存在感の薄い『重陽の節句』。

お酒も絡んで、唯一の“大人”の節句なのに……
なんだか寂しいですね。



旧暦ならば、菊も見頃でしょうに。。。





| 続・歳時記 | 23:45 | - | -
八朔
八月朔日(ついたち)→「八朔」



徳川家康が初めて江戸に入った記念日として
毎年、すべての大名が江戸城に登城するならわしで
その際には大名も大奥の女性も、白の帷子を着用するのが
決まりだったそう。

吉原では、その風習を取り入れ、この日には
遊女たちが真っ白な装いで客を迎えたといいます。





ちょうど早稲が実る時期に当たる、旧暦の八月朔日。


古くから行われていた、その年初の収穫を祝い
その実りを贈り合う「田の実」の節句。
その「田の実」が「頼み」となり
日頃お世話になっている、また、頼みに思っている人に
贈り物をする習慣ができたと言われます。


現代でも、京都の祇園では、芸妓さんや舞妓さんたちが
芸事のお師匠さんやお茶屋さんに、黒紋付き姿で
挨拶回りをする風習がありますね。

暑い中、正装姿での挨拶回りは大変だろうなぁ……と
ニュースを見るたび感心してしまいます。
(もちろん、そこを、汗ひとつかかず涼やかな顔で
 こなしてこそプロというものでしょうけれど)



ちなみに、果物の「はっさく」も
名前の由来はこの「八朔」だそう。
この時期に美味しく食べられるから、と
命名されたそうですが、やっぱり
新暦では少々早過ぎるようで。。。











| 続・歳時記 | 23:37 | - | -
笹? 竹? 〜今宵は七夕〜


 五節句の1つ、『七夕』。
 
 ゴロの良さからか、7日に定着していますが
 本来は7月6日〜7日にかけて祝われていたようです。


 『七夕』といえば、<笹>ですね。

 短冊に願い事を書くことも、今でこそさすがにないけれど
 この季節、装いにぜひ取り入れたいモチーフです。



 でも<竹>と<笹>って、ちょっと紛らわしい。


 
 植物学上では、一応違う植物のようですが
 文様化されたものは、あまり厳密な区別はせず
 大きさや他の意匠との組み合わせによって使い分けられています。
 「竹に雀」とは言いますが「笹に雀」とは言わないし
 「笹蟹」はあっても「竹蟹」では、いまいち風情に欠けますよね(笑)。


 昔は、稈(かん=幹の部分)を利用するものを<竹>
 葉を利用するものを<笹>と呼び分けていたとも。
 現代の紋様の使い分けも、それに近いものがあります。



 例えば、これは……<竹>。

竹帯留



 こっちは<笹>。

笹帯留



 

笹と竹簪


 上が<竹>、下が<笹>。


 稈が主体の文様は<竹>、葉が主体の文様は<笹>。
 ざっくり、そんなイメージでしょうか。



竹帯

 ↑<竹>     <笹>↓

笹帯



 だけど、この塩瀬の染め帯。

 何の柄?って聞かれたら、「笹の柄」って答えるくせに
 「竹だから」って、よくお正月に締めてます私(笑)。
 
 もともと、<笹>という名称自体が
 ささ、ささ、という風がわたる音から、という説もあれば
 細竹or小竹=ささたけ、という読み方から、という説も
 あるくらいですから、本来その境目は、結構曖昧なんですね。
 『松竹梅』の文様も、葉をメインにあしらわれたものも多いですし。



 ………要するに、かなり、適当ってこと。
 その時々に、都合の良い方をチョイスってことで(笑)。
 




 でも、たぶん。。。
 

 着物の良いところは、そういうところなんだと思います。
 着物だけじゃなくて、日本古来の考え方というか。

 

 
 白か黒か。

 

 OKかNGか。




 そんな無味乾燥な決め付けではなく、そのあわいの
 いろんなニュアンスを含んだ、柔らかで滋味に富んだ部分を
 大切にする、その感覚。
 
 その時々で、柔軟に考えることができる。
 それは、自分で選択、あるいは意味や思いをプラスできる、ということ。
 
 選択の余地のある、懐の深さ、と言っても良いかもしれません。
 


 つらつらとそんなことを思う、七夕の宵でした。






 追記/その他の七夕モチーフ

 
 <紙衣> <天の川> <星> <筆>
 <糸巻き> <合歓の花>などなど。。。




| 続・歳時記 | 22:48 | - | -
新橋演舞場 夜の部
ちょうど、5月5日、端午の節句の日。
あいにくの悪天候でしたけど…せっかくなので、着物で。



流水に鯉



この季節、手を通すことの多い大島に
菖蒲の刺繍の半襟、流水に鯉の帯留を合わせて。



吉右衛門さんの鬼平、福助さんの七役、どちらも見応えがありました。
歌舞伎は初めて、という方でも楽しめる演目ではないでしょうか。



昼の部も面白そうなので、うまく時間を作って観に行きたいな。。。



雪舟の、涙で鼠を描いたら、本物の鼠になって動き始めたという故事に
ちなんだ「爪先鼠」の趣向が見どころの『金閣寺』。



装いに取り入れるなら、鼠か桜の花びら?
(雪舟は涙で鼠を描いたけれど
 雪姫は桜の花びらを集めて描くのですね)



散る桜の刺繍半襟、今年は一度しかつけられなかったから…
し納めに、もう一度登場させてもよいかも(笑)。



| 続・歳時記 | 23:46 | - | -
皐月
皐月


躑躅(つつじ)に菖蒲、藤に小菊。

端午の節句にちなんだ、鯉や矢羽根。

江戸っ子を気取るなら、三社祭の網目に初鰹!!




風薫る皐月、楽しみがいっぱい。





そして、ビルの谷間の、ちょっと不思議な光景↓

鯉幟



ご近所の保育園。
玄関先で、悠然と(?)泳ぐ真鯉と緋鯉。

角を曲がった瞬間、目が合いそうになって
ちょっとびっくり。
(こんなに至近距離で見たの、初めてかも。。。)



| 続・歳時記 | 00:51 | - | -